松下真美講師(栄養学科)の論文が「Nature Metabolism」に掲載されました。

コンテンツ一覧
2025.07.30(水)
松下真美講師(栄養学科)の論文が「Nature Metabolism」に掲載されました。

Nature Metabolism 7(4):778-791(2025年4月)
「Pre-fertilization-origin preservation of brown fat-mediated energy expenditure in humans」
米代武司1,2#*, 松下真美3#, 布施(濵岡)沙由理4#, 黒岩美幸4, 黒澤裕子4, 山田陽介5, 荒井誠1, 魏宇辰1,2, 飯田誠6, 隈健一7, 亀谷俊満8, 原田智也8, 松村欣宏1,2,9 大澤毅10, 青木好子11, 中村尚7, 濵岡隆文4*, 酒井寿郎1,2*, 斉藤昌之3,12*
#筆頭著者、*共同責任著者
1 東北大学 大学院医学系研究科分子代謝生理学分野
2 東京大学 先端科学技術研究センター代謝医学分野
3 天使大学 看護栄養学栄養学科(天使大学大学院看護栄養学研究科栄養管理学専攻)
4 東京医科大学 健康増進スポーツ医学分野
5 東北大学 大学院医工学研究科スポーツ健康科学専攻
6 東京大学 先端科学技術研究センター再生可能エネルギー産学連携研究所
7 東京大学 先端科学技術研究センター気候科学研究室
8 LSI札幌クリニック
9 秋田大学 大学院医学系研究科生化学・代謝科学講座
10 東京大学 先端科学技術研究センター栄養学・腫瘍学分野
11 佛教大学 教育学部
12 北海道大学 大学院獣医学研究院・生化学教室


概要
 ヒトを含めた恒温動物は、どんな環境でも約37℃の深部体温を維持しなければ生存できません。褐色脂肪は寒い環境下で熱を産生する脂肪組織です。この熱産生には多量のエネルギーが使われ体脂肪の減少につながることから、褐色脂肪の活性化による生活習慣病の予防が期待されています。しかし、安全で効果的な活性化法はまだありません。そのため、ヒト褐色脂肪の活性が決まる仕組みを詳しく解明する必要がありました。
 本研究では成人の褐色脂肪の活性が親世代の生活環境によって決まることを発見しました。すなわち、受精前に親が低い外気温や大きい寒暖差に曝されると、子の褐色脂肪の活性が成人後も高い状態で維持され、エネルギー消費量が高まって肥満リスクが低下することを明らかにしました。

論文はこちらから閲覧できます。
https://www.nature.com/articles/s42255-025-01249-2

プレリリース記事
https://www.tenshi.ac.jp/uploads/files/news/2025/250408_pr.pdf