看護栄養学部実習・演習の紹介Department of Nursing

1年次

日常生活の援助技術を学ぶ

基礎看護技術論Ⅱ
血圧測定などの生命徴候の観察と、日常生活の援助技術の基本を徹底的に学ぶ科目です。授業は、講義と演習を組み合わせて行われます。
講義では技術に関する基礎的な知識を学び、演習ではその知識に基づいて、これから行う援助が患者さんにとって安全か、安楽か、自立を考えているか、個別性がある看護か、ということを考えながら看護を展開します。また、看護の受け手である患者さんの気持ちや考えを理解するため、コミュニケーションをとりながら進めます。
演習後は学生同士で行った技術を評価し合い、さらに教員から受けた多くの助言を基に、自己の看護技術を振り返ります。

2年次

自己の看護観を深める

生と死の看護ゼミ
いのちの尊厳とは何か、よりよく生きるとは何か、他者との関係の中で生きる人間にとって死の持つ意味とは何か、死は生物学的、法学的、倫理学的にどのように捉えられているか、尊厳死とは、安楽死とは、脳死とは、ホスピスケアとは何か、出生前診断は是か非か、障がいのある人がよりよく生きるには――。
こうした多様なテーマの中から学生それぞれが関心のあるものを選び、それについて段階的に学習を進めていく少人数制ゼミです。
学生は自ら調べ、考え、討議・発表し、体験者の話を聞いたり、病棟などを訪問したりしながら自らの看護観をさらに深めていきます。

診療に伴う看護技術を学ぶ

基礎看護技術論Ⅳ
看護師には「日常生活を援助する技術」と「診療に伴う看護技術」が必要です。この科目では、後者に必要な基礎的知識と技術を身に付けます。
検査に関する技術をはじめ、褥瘡(床ずれ)のケアから痰の吸引までさまざまな技術を学びますが、中でも注射は、体内に針を刺入するなど身体侵襲の大きい技術です。学生はそれまでに学んだ知識をフル活用して血管や神経の走行をイメージし、薬の効果を考え、事故が起こらないよう細心の注意を払いながら演習に取り組みます。
講義と演習を通して、学生は看護師としての責任を感じつつ、看護師をめざす決意を新たにします。

3・4年次

母子やその家族の看護を学ぶ

母子看護学臨地実習Ⅰ・Ⅱ
母性看護学および小児看護学の対象である、子どもや周産期(出産前後の期間)にある女性とその家族への看護を理解し、実践する実習です。
3年次では、看護の対象となる人々の特徴をふまえ、健康状態や発達段階を考慮した看護の理解と、看護技術(バイタルサイン、沐浴、妊婦・褥婦(出産後の女性)計測など)を習得する基礎的な実習を行います。
4年次には3年次の学びを生かし、病気で入院する子どもと家族への看護や、妊娠・出産に伴う母子の心身の変化を把握した看護を実践し、学びを深めます。母性看護と小児看護を統合した学習で、家族全体を捉えた看護を実践するための視野を広げます。

4年次

看護の実践能力を強化する

統合看護技術演習
1年次から段階を踏んで学んできた看護技術の集大成となる演習です。卒業までに修得することが求められる各種の看護技術について、これまでの習得状況を評価し、課題を明確にします。その上で各自が看護技術の練習を積んで、演習に臨みます。
加えて、ペーパーペイシェント(紙上患者)の事例に対するケアプラン(看護計画)を立案するグループワークを行うとともに、立案したプランに基づいて優先度の高いケアを模擬患者に実施し、評価を行います。
こうした過程を通して、対象者の安全や安楽に留意しながら自律して看護を実践するために必要な能力を身に付けます。

批判的・科学的思考を身に付ける

看護研究
臨地実習で実践した看護援助について、看護研究(ケーススタディ)としてレポートにまとめて発表します。研究テーマを理論や科学的根拠に基づいて実践した看護を整理・分析することによって自らの看護を振り返ります。また、評価・改善する力、人前で自分の意見を表現するプレゼンテーション能力を身に付けます。

研究テーマ例(2019年度)
  • 足趾切断後の患者の行動変容に必要な看護について
  • 急性虫垂炎で入院した学童期の子どものストレス緩和へ向けた看護
  • 帝王切開後に搾乳が必要となった母親の疲労感を軽減する為の支援
  • 統合失調症患者における金銭管理のセルフケア能力を支援する看護
  • 化学療法を受ける進行がん患者の療養支援
  • 人工血管置換術後で術後疼痛を強く訴えた患者への疼痛緩和の看護
  • 認知症高齢者の持てる力を引き出す看護