新着情報
天使大学の学生の皆さま、保護者の皆さまへ
はじめに
日頃より本学の教育研究にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月16日(木)、政府は全国的に緊急事態宣言を発出し、北海道を「特別警戒都道府県」に指定したことは周知のとおりです。
本学では学生の皆さんの健康と安全を第一に考え、学内への立入りを制限しています。
このため、学生の皆さんはこれまで経験したことのない不安な気持ちで過ごしておられることと思います。また、アルバイトの休業や自粛を余儀なくされ、経済的に厳しい状況に直面している学生がおられることを本学も承知しています。
さらに、様々な経済活動の自粛に伴い、保護者の皆さまにおかれましては経済的な影響を受けている方もいらっしゃるものと推察し、心よりお見舞いを申し上げます。
遠隔授業の開始と支援金給付について
本学においては、5月中の対面授業を断念し、5月11日(月)から遠隔授業を順次、開始しております。
学生の皆さんの通信環境については調査させていただきましたが、ご家庭で遠隔授業を受講するためには、インターネット通信環境の整備、パソコン、周辺機器等の準備が必要となり、急遽パソコンを購入するなど、新たなご負担をおかけした場合もあろうかと思います。様々な事情でパソコンを準備できなかった学生の方には、本学所有のパソコンを貸与したところです。
以上のことから、遠隔授業の受講環境を整えるために、同窓生、後援会、教職員などからの寄附等も活用して「遠隔授業環境整備支援金」として、すべての学部生、大学院生(休学中の学生を除く)に対し、一律5万円の給付を決定いたしました。具体的な給付手続等については、今後T-NAVIでお知らせする予定です。
生活に困窮した学生に対する応急学生支援金
すでにホームページ等でお知らせしておりますが、アルバイトの自粛等によって生活に困窮し、当面の食費、家賃・光熱費等の支払いで経済的に切迫した学生を対象に、「天使大学 応急学生支援金」として「5万円」を迅速に給付する制度を新設しました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で家計が急変された学生につきましては、奨学金のご相談、学費の延納・分納のご相談に対応させていただきますので、気兼ねなく大学にご連絡ください。
天使大学の学費に関する考え方
学生の皆さんから、大学で授業が行われていない現状について学費の減額を求める声があることを承知していますので、この機会に学費について、本学の考えをお伝えしたいと思います。
学費は、学部生については4年間の、大学院生については更なる学修期間において必要な教育を提供するために必要な総額について設定していますので、一時期、遠隔授業を行ったことによって学費が増減するものではありません。したがって、学費の減額は考えておりません。
大学内にある講義室、自習室、実験室、図書館、体育館等の大学施設は、皆さんの学費により整備され、維持されており、例えば施設設備費については「施設利用料」としてのみいただいているのではなく、大学運営に必要な施設の取得、維持、物件費の支出にも充てられています。
新校舎が完成し、2020年度から学生の皆さんに利用されることを期待していますが、この新校舎は皆さんの先輩達からの学費の積立金や借入金によって完成したものであり、特定の時期に在学している学生にのみご負担いただくというものではありません。
学費については、こうした教育研究活動や環境の整備・維持・管理のために使用されるものであることをご理解いただけますと幸いです。
遠隔授業であっても本学の教育の質を維持するために、教職員は現在、大学の通信環境の整備、新たな教材や授業手法等の準備に取り組んでいます。必要な教科書や資料等については送料を大学負担で郵送させていただきますので、もう少しお待ち願います。
引き続き、皆さんの学位授与までの教育を支援させていただきますので、重ねてご理解とご協力をお願いいたします。
建学の精神「愛をとおして真理へ」のもとで
先月16日から全国を対象に行われてきた緊急事態宣言は、本日、39県について解除されました。しかし残念ながら北海道を含む8都道府県は、今回解除の対象とならず、1週間後の21日を目途にあらためて政府から判断が示されるとの発表があったところです。
引き続き、皆さんにはご自宅で自らの体調管理に努めていただきたいと考えています。
医療崩壊の危機が報道される中で、新型コロナウイルス感染の拡大防止のために、日夜医療現場の最前線でこの難局に立ち向かっている医療従事者に対して、敬意と感謝を示す行動が世界各国に広がっています。本学としても心から感謝を申し上げます。
最後に、こうした社会全体の危機にあって、皆さんと一緒に考えたいことがあります。
「愛をとおして真理へ」を建学の精神として看護と栄養の専門職業人を育成する天使大学に集う全ての学部生、大学院生、教職員は、今こそ、本学開学の源泉である「マリアの宣教者フランシスコ修道会」のシスターたちが、明治時代開拓期の北海道の厳しい環境の中で身をもって示した献身的な奉仕活動と、それを支えた人間愛の教えについて思い起こし、あるいは学んでいただくことにより、本学での学びの意義を再確認し、皆さんとともにこの困難を乗り越えていきたいと考えています。
一日も早くこの感染拡大が収束し、学生の皆さんがこのキャンパスで学び、語らい、喜びを分かち合える日が来ることを心より願っております。
2020年5月14日
天使大学 学長 田畑邦治