助産専攻修了生インタビュー

助産研究科 助産基礎分野 2006年3月修了

天使での2年間は、畑に例えるなら、
いい助産師に育つための「いい土を作る教育」でした。
教員を経験して、改めてそう感じました。

福島県立医科大学附属病院 勤務(助産師)
助産研究科 助産基礎分野 2006年3月修了
福島県立医科大学で学ぶ中で子育て支援に興味を持ち、一番近くでアプローチできる職種として助産師という選択肢を考え始めました。ちょうどその頃、天使大学に助産の大学院が設立されると恩師から聞き、子育て支援を含めた幅広い助産領域について学べるカリキュラムに魅力を感じ、入学しました。たまたま兄も北海道にいたので、他県よりは身近な感覚もありました。

動機が子育て支援だったので、実は1年次の病院実習では、お産をとることの責任や判断の重さが怖くなりました。でも、2年次の長期の助産所実習でお産をつぶさに観察し、妊娠期も分娩期も途切れることなく女性が親になっていくプロセスに寄り添ったことで、お産のイメージがガラッと変わりました。そのお母さんが持っている力を引き出すってこれなんだと実感できる経験になりました。

就職してからも自分の課題を意識し続けるきっかけになったのは、「特別統合課題研究」です。実習体験をもとに自分自身の行ったケアを振り返ったとき、私は自分の完璧主義を相手にも求めがちで、その性格がケアにも反映されてしまうことがわかりました。病院に5年間勤め、そのあと5年間、県立総合衛生学院の助産学科で教員をしましたが、そのときも常に、自分が学生に対して厳しすぎないか、また自分寄りの完璧主義な考え方に偏っていないかと意識し、自問することができました。

教員時代は、本来あるべき助産師像を学生たちに語り、土台づくりをサポートできることに喜びがありました。根底にあったのはやはり天使での学びです。女性一人ひとりのかけがえのない経験を尊重しながら、科学的根拠に基づいた関わり方や実践力が身に付いたこと、広い視野でライフサイクルに合わせた助産師の役割を学んだことは本当に大きかったと、教育する立場になって再認識しました。今は再び病院勤務に戻りましたが、教員を経験したことで実習先の助産師の影響力の大きさを痛感しました。今後は臨床の立場から後輩教育をしっかり行い、いつかまた助産師教育に携わりたいと考えています。