助産専攻修了生インタビュー

助産研究科 助産基礎分野 2009年3月修了

感染症の知識やフランス語をもっと学び、
いつかアフリカで医療をやりたい。
やりたいと思えば、必ずチャンスは訪れます。

助産研究科 助産基礎分野 2009年3月修了
自然に助産師を目指していました。修了後は、とにかくハイリスク助産に携わりたくて、産科救急のある大阪の病院に勤務しました。仕事に追われて6年が経ち、「やりたいことをやり残してはいけないな」と考えていた矢先、青年海外協力隊の広告を見かけ、すぐに応募しました。2014年10月から2年間の任期で、西アフリカのベナン共和国に派遣されました。
しかし悔しかったのは、専門的な医療行為やケアができなかったことです。

お産をとり、産科救急で培った技術を発揮したくても、規定で注射さえ打てないことを現地の仲間にわかってもらえず、私のフランス語も未熟なため、信頼を得るのが大変でした。ただ、日本では輸液ポンプもモニターもエコーもそろっているからできた部分があって、何もない町では心音の確認ばかりしていましたから、自分の力も足りていなかったと思います。近隣の村にも足を運び、感染病予防の啓発や妊婦健診を手伝ったり、子どもの傷を見たり、できることに取り組みました。ある村に新しい井戸を設置し、子どもの学習を支援するための資金を集めるプロジェクトは、帰国後も続けています。
お産をその国の文化として考え、広い視野で捉える科目「出産の文化」、「女性のフィジカルイグザミネーション」を学んでいたことは、対象の理解にすごく役立ちました。助産師という仕事は、出産でお母さんが素を見せ、本性や思いがむき出しになる姿に寄り添えるところが醍醐味だと思います。今は現場が楽しいです。お母さんが赤ちゃんを産んだ瞬間、別人のように母性があふれる、あの感じがすごいですし、いい瞬間だと思います。
今後は、マラリアや感染症について専門的に勉強するため、長崎大学熱帯医学研究所で3ヵ月間、熱帯医学研修課程を受講します。そして再びアフリカで医療に従事したい、できればクリニックを開設したいというのが将来の目標です。