助産専攻修了生インタビュー

助産研究科 助産基礎分野 2013年3月修了

お産の怖さや辛さがあったとしても、
生まれたら全部よかったと思い、分かち合える。
それは助産師だからこそ味わえる幸せです。

日本赤十字社 釧路赤十字病院 勤務(助産師)
助産研究科 助産基礎分野 2013年3月修了
勤務先は実習でお世話になった釧路の病院です。誘っていただいたので、求められるところで働いてみようと思ったのと、分娩件数が多い点も、分娩介助で力を付けたいという私の希望に合っていました。基本的には2交代の勤務体制で、日勤では産褥チームに所属し、出産2時間後から5日目の退院まで、お母さんの育児練習をサポートしたり、退院後の地域での養育支援の手続きを行ったりもします。また、月4、5回の夜勤では分娩室の業務を担当しています。

実際に助産師になり、ハイリスク分娩のケアも経験して思うことは、自分の判断一つで母子ともに危険な状態に向かってしまう場合も少なくないということです。怖い経験もたくさんしましたが、怖れを感じなくなることが一番怖いことですし、赤ちゃんもお母さんも元気でお産が終わるのは、すごく奇跡的なことなんだと思うようになりました。そういう中で頑張っているお母さんの一番近い存在として分娩に関われることがうれしく、大きなやりがいを感じています。

天使では実習が多いだけでなく、その準備や思考過程にも多くの時間をかけて学びました。実習前などのミサを通して内省することから、いざ何かを実践するときに自分を振り返ることは、今も習慣として生きています。また、発展・展開科目では「性教育」を選択しましたが、勤務先の病院では毎年、近隣の中学校で性教育を行うので、当時の経験が役立っています。望まない妊娠や性感染症の防ぎ方、生命の大切さを学んでもらう時間ですが、生徒たちのピュアな反応や質問が新鮮で私自身も楽しんで行っています。

入職して5年目を迎え、今後もどんどんハイリスク助産などの経験を積み、広い視野を持って、リーダーシップも発揮できるようになっていきたいと考えています。新人の頃、先輩から「助産師は産むのを助ける人。それをずっと心に留めて働きなさい」という言葉をいただきましたが、産む性としての女性の人生にずっと関わっていく仕事が助産師なのだと思います。だからこそ女性の生涯を通じた支援について天使の幅広いカリキュラムで学び、夢を広げてほしいです。