新着情報
東北大学大学院医学系研究科倫理委員会 受付番号: 41578
課題名:生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する横断的調査研究
1.試料・情報の提供の対象となる方
天使大学で行われた下記の研究にご協力いただいた方
2012年7月~2020年3月 「PET/CTによる褐色脂肪の検出条件の検討」、「エネルギー代謝における個人内変動の要因:褐色脂肪の寄与」、「ω3脂肪酸のヒト褐色脂肪に対する作用とその抗メタボ効果」
2015年10月~2025年3月 「ヒト褐色脂肪の活性と身体機能特性に関する研究」
2.提供先となる機関での研究期間
2024年5月(研究実施許可日) ~ 2029年3月31日
3.試料・情報の利用及び提供を開始する予定日
試料・情報の利用及び外部への提供を開始する予定日は以下の通りです。
利用開始予定日:2026年1月15日
提供開始予定日:2026年 1月15日
4.研究目的
褐色脂肪組織は、寒冷刺激に応じた適応的熱産生・エネルギー消費を行う特殊な脂肪組織です。褐色脂肪組織の代謝活性には大きな個人差があり、これが肥満や生活習慣病のリスクと関連しています。しかし、褐色脂肪組織の個人差を規定する要因はほとんど不明なままです。近年、マウスを用いた研究により、交配前の雄マウスに寒冷刺激を与えてから雌マウスと交配すると、その仔マウスの褐色脂肪組織が機能増強することが報告され、世代を超えた細胞記憶の伝搬を介した褐色脂肪組織の運命決定という概念が提唱されました。
本研究では、褐色脂肪組織の活性や密度を測定した方のデータを再解析し、受精時期や出生後の気象曝露状態を調べ、世代を超えた褐色脂肪組織の機能制御とエネルギー代謝調整に及ぼす影響を明らかにします。また、褐色脂肪組織の評価前4か月間についても気象曝露状況を調査し、褐色脂肪組織の個人差との関連を解析します。さらに、細胞記憶の伝搬様式を解明するため、精液(成熟精子)のエピゲノム解析、RNA解析を行います。
5.研究方法
陽電子画像診断法検査(FDG-PET/CT)を受けて褐色脂肪組織やエネルギー代謝関連指標(肥満度、エネルギー消費量、血中生理活性物質・代謝物群濃度など)を評価した方のデータをもとに、生年月日と推定される受精時期の季節や気象要因が褐色脂肪組織やエネルギー代謝関連指標に及ぼす影響を解析します。加えて、検査4か月前から検査当日までの気象要因の影響を解析します。解析では、褐色脂肪組織の高活性者と低活性者の比較、受精時期が温暖期の者と寒冷期の者の比較、出生時期が温暖期の者と寒冷期の者の比較を行う予定です。また、FDG-PET/CT検査を受けた方の中で、精液を提供していただいた方のサンプルから核酸(DNA、RNA)を抽出し、季節性寒冷刺激の影響や褐色脂肪組織活性との関連を解析します。これらの検証により、受精前や出生直後の過去の環境刺激が褐色脂肪組織や全身性エネルギー代謝に及ぼす影響を明らかにします。
6.研究に用いる試料・情報の種類
上記1.の研究で得られたデータのうち、下記の試料・情報を利用します。本研究の実施内容は、東北大学病院臨床研究倫理審査委員会の審査を受けております。また、研究対象者様の個人を特定できないよう仮名加工して利用します。
情報:褐色脂肪組織活性・量、体組成、血液検査結果、血中生理活性物質・代謝物群濃度、エネルギー消費量データ、年齢、性別、居住地等
試料:血液サンプル、精液および抽出した核酸サンプル
7.外部への試料・情報の提供
試料・情報は個人が特定できないよう氏名等を削除し、仮名加工した状態で郵送または電子的配信等により、共同研究機関へ提供します。対応表は、研究代表者または共同研究機関の研究責任者が保管・管理します。
8.研究組織
東北大学大学院医学系研究科分子代謝生理学分野 米代武司(研究代表者)
東京大学先端科学技術研究センター ニュートリオミクス・腫瘍学分野 大澤毅
天使大学 看護学部栄養学科 松下真美
東京医科大学 健康増進スポーツ医学分野 浜岡隆文
個人事業主(北海道大学 獣医学研究院 名誉教授) 斉藤昌之
LSI札幌クリニック 亀谷俊満
佛教大学教育学部(京都先端科学大学・元教授) 青木好子
9.利益相反(企業等との利害関係)について
本学では、研究責任者のグループが公正性を保つことを目的に、情報公開文書において企業等との利害関係の開示を行っています。
本研究に関する費用は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)補助金、共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)、創発的研究支援(FOREST)、日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究B、C)から支出されています。
外部との経済的な利益関係等によって、研究で必要とされる公正かつ適正な判断が損なわれる、または損なわれるのではないかと第三者から懸念が表明されかねない事態を「利益相反」と言います。
本研究は、研究責任者のグループにより公正に行われます。本研究の利害関係については、現在のところありません。今後生じた場合には、所属機関において利益相反の管理を受けたうえで研究を継続し、本研究の企業等との利害関係について公正性を保ちます。
この研究の結果により特許権等が生じた場合は、その帰属先は研究機関及び研究者等になります。あなたには帰属しません。
10.お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。
ご希望があれば、他の研究対象者様の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出ください。
また、上記の情報を当該研究に用いることについてご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2026年1月14日(水)までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも研究対象者様に不利益が生じることはありません。
ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
本学の連絡先(本学研究責任者):天使大学 看護栄養学部 栄養学科
松下真美 matsushita@tenshi.ac.jp Tel: 011-792-9220
研究代表者 東北大学 大学院医学系研究科 分子代謝生理学分野
米代武司 takeshi.yoneshiro.a8@tohoku.ac.jp Tel: 022-717-8117
◆個人情報の開示等に関する手続
本学が保有する個人情報のうち、本人の情報について、開示、訂正及び利用停止を請求することができます。
保有個人情報とは、本学の役員又は職員が職務上作成し、又は取得した個人情報です。開示、訂正及び利用停止を請求される場合は、上記お問い合わせ先までご連絡ください。
※注意事項
以下に該当する場合には全部若しくは一部についてお応えできないことがあります。
①研究対象者等又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
②研究機関の研究業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合
③法令に違反することとなる場合
