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国際助産学実習のご報告
2025年10月18日から30日までの期間、大学院助産研究科2年生は、イギリス・ロンドンにあるシティ大学を中心に国際助産学実習を実施しました。
シティ大学では、日本の産婆・助産師の歴史、助産教育、出産場所、産育習俗について英語でプレゼンテーションを行いました。現地の助産学生と共に、薬理学や継続ケアに関する講義、避妊・家族計画をテーマとしたケーススタディ、新生児観察の演習などに参加しました。これらの学習を通して、日本とイギリスにおける助産師の役割や教育体制の違いについて理解を深めることができました。また、文化的背景や社会制度の違いが助産実践に与える影響を知ることで、日本の助産の特徴や今後の課題についても改めて考える機会となりました。
セントメアリーズ病院の見学では、MDAUやバースセンターなど、妊娠・分娩のリスクや妊婦のニーズに応じて機能が細分化された周産期医療体制を見学しました。正常経過の妊娠・分娩は助産師が主体となってケアを行い、異常時には速やかに医師と連携する仕組みが整えられており、助産師には高い専門性と自律性が求められていることを学ぶことができました。特にバースセンターでは、内装や設備に工夫が施され、リラックスして出産に臨める環境が整えられていました。さらに、出産スタイルを産婦自身が選択し、主体的に出産に向き合える点が非常に印象的でした。
そのほか、助産や医療に関わる博物館の見学を通して、医療の発展や出産を取り巻く環境の変遷についても理解を深めることができました。歴史的背景を学ぶことで、現代の助産ケアがどのような過程を経て築かれてきたのかを知り、助産師の役割の意義を改めて考える貴重な機会となりました。
今回の国際助産学実習を通して、助産師の役割や実践の形は国や文化によって異なる一方で、母子の健康を支えるという共通の理念が根底にあることを実感しました。今後は、本実習で得た学びを日本での助産実践に活かし、広い視野と国際的な視点を持った助産師として成長していきたいです。
