園生 陽子(ソノオ ヨウコ)
所属/職位
大学院 助産研究科(助産専攻、専門職学位課程)/教授
学位・資格等
保健学修士、助産師、看護師
ホームページ
担当科目
助産研究科
出産の文化、健康教育論Ⅰ・Ⅱ、マタニティサイクル助産ケアⅡ(出産期)、 マタニティサイクル助産ケア基礎実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(妊娠・出産・産褥新生児期)、 マタニティサイクル助産ケア統合実習Ⅰ・Ⅱ、特別統合課題研究、臨床助産教育実習
研究テーマと概要
出産教育に関する研究
* 出産教育に関する行動科学的アプローチ -イメージトレーニングによる教育効果について- 出産時の対処行動の学習を目的とした出産教育(マタニティクラス、1コース3回)を実施した。A .Banduraの社会的学習理論を背景としたモデリングを導入、学習を促進する方法としてイメージトレーニングを実施、その効果を測定した。 クラスでの学習内容・方法:分娩に関係する生殖器の解剖、出産のメカニズムと分娩進行など、正常な分娩に関する基礎的な情報を提示・説明し、妊婦体操・リラックス・呼吸法については理論的根拠を示した。さらに、出産経過各期に生じる心身の変化と、それに対してさまざまな対処行動をとる産婦の姿をモデルとして提供した。 教育方法では、上記の内容をスライド71枚とVTR1本(20分)で視覚的に提示しながら説明、リラックス・呼吸法については3回のクラスで計45分の練習時間を設けた。 各クラス後、イメージトレーニングを実施し、家庭でテープを聞いての練習を促した。 対象および方法:沖縄県内2施設に通院中の妊娠中・後期の初産婦48名を、イメージトレーニングを家庭でも練習したイメージ習得群、練習回数の少ないイメージ未習得群、イメージトレーニングを実施しなかった観察学習群に分けて、教育前後に出産経過中に生じる主な心身の変化(12項目)に対する①対処行動イメージの描きやすさ、②出産不安の程度を、いずれも5段階で評価、また③状態不安(STAI,A‐State)を測定、比較検討した。 結 果:全群で、教育後に対処行動イメージの描きやすさは上昇が見られ、出産不安・状態不安は下降が見られたが、イメージトレーニングの実施の有無と程度で分類した 3群の間で、有意差はなかった。しかし、対象者48名全体の、対処行動イメージ得点の合計と、出産不安得点の合計との間で、教育後に強い負の相関(-0.85)が見られた。また、対処行動イメージ得点の前後差と状態不安の前後差との間では、かなりの負の相関(-0.54)が見られた。 結 論:「イメージトレーニングが適切な出産行動イメージの明確化を促す」との仮説は支持されなかったが、「適切な出産行動イメージの明確化によって、妊婦の不安が緩和される」とした仮説は出産不安、状態不安ともに支持された。 出産経過中に生じる心身の変化に対して、妊婦の対処行動イメージの形成を促すことが不安緩和に有効であることが示唆された。産婦自身にできる対処行動の獲得は、一方ではその主体性を支える情報としても大きな意味があると言えよう。 ・平成2年(1990) 琉球大学大学院保健学研究科 保健学専攻 保健社会学分野 修士論文 平成3年(1991)3月、第5回日本助産学会学術集会 発表(口演)
* 出産に対する満足感の検討-満足感が得られなかった理由に焦点を当てて- 産婦が出産に満足感を得られることは、出産教育、産婦ケアを中心とした助産師の“ケア目標”の一つである。聖母病院における出産教育であるラマーズクラス(母親学級受講後に4回行う小集団クラス)受講者の過去9年間のアンケートを分析した。対象者を初産婦に絞り、545名について分析、出産に満足感が得られた者は67%、満足感が得られなかった者(不満足群)は23%であった。 不満足群129名のお産の不満足感の理由を分析したところ、①長引いた分娩経過など期待と現実のずれ(32%)、陣痛のつらさが予想以上(17%)、②セルフコントロールできなかった(26%)、③呼吸法・弛緩法が思ったように出来なかった(18%と12%)、④自然な分娩を望んでいたが、思いがけず人工的な医療介入があった(11%)、⑤妊娠期の身体の準備不足(7%)など、描いていたイメージと現実の出産とのギャップが不満足感につながることが示唆された。(複数回答) このことから、出産教育においては期待と現実の不一致を最小限にする、教育内容・方法の工夫、産婦支援の必要性に加えて、教育する助産師の目標のあげ方が関与することが示唆された。 ・平成4年(1992)3月、第6回日本助産学会学術集会 発表(口演、共同者:菅沼ひろ子)
