〈卒業に要する単位〉128単位(教養教育科目も含む)
〈学位〉学士(栄養学)
〈卒業時の取得資格〉
管理栄養士は、あらゆる年代のあらゆる健康レベルの人に対し、その個人の健康回復・保持・増進のために、適切な栄養に関する指導を行います。今日の管理栄養士には、「食」についての広範な知識や技術、そして科学的根拠にもとづいた判断力が求められます。本学栄養学科は、「理論」と「実践」を統合させるカリキュラムの展開、厚生労働省の規定を大きく超えて履修できる臨地実習など、実践力の養成に大きな力を注いでいます。しかし、本学栄養学科の特徴はそれだけではありません。
管理栄養士は、医療、福祉、教育、地域などさまざまな現場で、「人」と向き合って働く職業です。たとえばアレルギーで苦しんでいる子ども、安全な出産を願う妊婦に対し、その痛みや不安を自分のものとして真に共感できる心、親身に寄り添う態度を備えることで、はじめて管理栄養士の実践力は意味を持ちます。本学栄養学科では、キリスト教的人間観にもとづき、「豊かな人間性」と「他者へのあたたかいまなざし」を育む機会を大切にしています。
人間性豊かな栄養士職を目指す
食べることの意義は二つあります。一つは、健康の回復・保持・増進に寄与する、命と直結する部分。もう一つは、人の心を豊かにする部分です。この二つは独立したことではなく「楽しく食べたものは、体にもプラスになる」というように、お互い影響し合う関係にあります。管理栄養士は、人間を対象とする専門職です。栄養にかかわる業務の現場では、人間を全体的に理解する能力が、いつも問われることになるのです。
「食」は、糖尿病や高脂血症などに代表される生活習慣病とも深くかかわります。また、食べたものは消化吸収という複雑なプロセスを経て、エネルギー生成、体成分合成など生命現象にかかわります。「食」の専門家を目指し、体系化された栄養学の学びを深めるためには「いつ何をどのように食べたか」を手がかりに、人間を取り巻く「食」を科学的な視点から幅広く理解する能力が必要です。
どうして栄養学を深く追究することが必要なのでしょうか。「他者のために自分には何ができるか」という側面から「食」を見つめたとき、栄養学には知識や技術を超えた大きな可能性が秘められていることに気付くはずです。天使大学では、さまざまなライフステージや健康レベルにある人を対象とした栄養学、いわゆる「人間栄養学」に関する専門的知識と技術をもって人々に貢献する能力の育成を目指しています。
「食」が生産される大地や海などは環境を構成する要素であり、「食」はさまざまな環境の中で営まれます。「食と環境」というテーマには広範な課題が含まれています。4年次に履修できる「環境食事論」では、環境と調和した食生活のあり方を学びます。「人間」と「食」、そして「環境」と「食」の相互関係を理解し、それに対応する能力を備えることも管理栄養士には強く求められます。
管理栄養士は医療職に位置づけられており、医療は社会の変化とともに非常に速いスピードで進歩しています。また、医療だけでなく、社会構造そのものの変化、法律の改正、経済の動きは、さまざまな側面から「食」に影響を与えています。管理栄養士にとって、社会システムを理解し、その変化を敏感に察知して対応する能力は、今後ますます求められることになります。
2000年3月の有珠山噴火に際して、天使大学では現地に管理栄養士を派遣し、災害支援に取り組みました。「食」に関わる専門家には、たとえ極限状況にあってもストレスを緩和できる安全な「食」の提供や、それを的確に実現するための迅速な行動力が求められます。どのような場面でも課題を見いだし、正しい判断にもとづいて意思決定ができる能力は、管理栄養士に求められる力のひとつです。
多くの医療の現場では、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、検査技師らが協働してひとりの患者さんを総合的にサポートするシステムが、議論と実践を重ねながら構築されつつあります。管理栄養士には、現代社会の保健医療福祉システムの中で円滑な人間関係を築き、他の職種と協働しつつ、自己の責任を全うできる能力が求められます。
管理栄養士には専門職としての知識や技術が必要であると同時に、思いやりある行動も求められます。それはどこの国でも必要とされ、一度身につけた人は、常に何かを提供できます。天使大学は、人間愛を持って国際社会に貢献する管理栄養士としての能力の獲得を教育目標としています。天使の卒業生は地球上のさまざまな場所で、今この瞬間も、建学の精神「愛をとおして真理へ」を胸に、多くの人のケアに取り組んでいます。
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