卒業生の皆さんへ
「微量採血用穿刺(せんし)器具」の不適切使用に関する報告とお詫び
2008年5月に島根県内の医療機関による「微量採血用穿刺(せんし)器具」の不適切な使用に関する報道がありました。その後も全国で同様の使用事実が報告され新聞、ニュース等で報道されています。このことについて厚生労働省が全国の医療機関等に対して調査を開始し使用実態の確認を行っているところです。
過日、本学に対しても調査の要請があり、調べたところ、不適切な使用の事実が確認されました。
看護学科では2004〜2007年度の成人看護学領域の演習において、栄養学科では、1995〜2007年度「生化学実験」、「生化学実験Ⅱ」、「食といのちのゼミ」の実験・演習において血糖値測定演習の目的で「微量採血用穿刺(せんし)器具」を問題となっている使用方法で実施していました。
実験・演習実施にあたって、器具の消毒はもちろんのこと、針を1人ひとり交換する等、その取り扱いには厳重な注意を払っておりましたが、数人に1セットの器具を使用したことは事実です。この問題に関して本学は、厚生労働省・文部科学省の関係機関に事実を報告しました。
卒業生の皆さんには「微量採血用穿刺(せんし)器具」の不適切な使用があったことについてご報告申しあげるとともに、不安などを与えましたことを深謝申しあげます。
ただし、B型肝炎については「器具の不適切使用後、6カ月以内に急性肝炎の発症がみられない場合は感染の危険は消失した」とするのが医学的見解です。本学での器具使用後、現時点までに急性肝炎の発症が見られないことから感染は無かったものと判断されます。
また、この度の使用方法においては、さらに感染力の弱いC型肝炎等のウイルス感染の危険性も無いと考えられます。
当該事例に該当される卒業生の皆さんの中で、この問題に関して健康上の心配、相談等がある場合には大学の保健相談室にご相談ください。
以上
2008年7月8日
天使大学
学長 近藤潤子
B型肝炎ウイルスに汚染された針刺し等の事故では、一般成人の場合、1〜6カ月の潜伏期(体内に入ったウイルス量によって異なる)後、一過性の急性肝炎を発症し、そして完治します。免疫を低下させる特殊な病気や特殊な薬を服用していない限り慢性化することはない、との考えが現在の医学的常識です。
針刺し事故等に関する国の基準では、事故後労災としてひと月毎に血液検査で観察し、発症が見られない場合は6ヶ月後に「危険性の消失・治癒」証明を出します。
今回の方法では感染させるだけのウイルス量が入りにくいことと、実習実施後半年以内の発症が無かったことから、感染例はなかったと考えるのが妥当といえます。
学校医・肝臓専門医:関谷千尋