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受験生のための職業ガイド

看護師のしごと

看護とは。看護師とは。

看護師の行う看護とは、赤ちゃんからお年寄りまで、人が健康な生活を維持することへの援助全般を指します。病気やけがで援助を必要としている人はもちろん、健康な人がその状態を維持するための教育的援助も看護です。看護の対象は「人」ですから信頼関係を築きながら、その人のもっている力が十分発揮できるように、それぞれの状況に応じた援助を行う必要があります。また看護は診療や検査の介助、苦痛を緩和するための処置などの「診療の補助」という側面ももっています。さらに、各分野の医療スタッフの調整役まで、患者さんを中心とする広い範囲におよびます。看護師とは、これらの援助全体を行う専門職を指します。

看護師の仕事

■病院という職場から見る看護師の仕事
近年看護師の職場は多様化する傾向にありますが、およそ9割の看護師が病院や診療所で働いています。まず、病院の看護師が行う仕事の一例を見てみましょう。

・病院の看護師が行う仕事の例

  • 患者さんを観察し、援助が必要な事柄を判断し、看護計画をたてること
  • 患者さんの日常生活上の援助、苦痛の緩和、精神的なサポート、教育的援助を行うこと
  • 患者さんが過ごす場所の環境を整えること
  • 診療や検査の介助、必要な処置を行うこと
  • 他の医療スタッフとの連絡を取り、調整を行うこと。

・病院の中でも、部署によって役割は変化します。一例を挙げます。

  • 病棟では、入院患者さんに対し、チームを組んで看護にあたります。病状の観察や医療処置、日常生活の手助け、医師やほかの専門職との連携や調整など、回復に向けて身体的・精神的にもサポートしていきます。
  • 手術室では、介助のほか機器や器具類の正確な取り扱いも重要なポイントです。患者さんへの対応を通して、不安を取り除く役割も果たします。
  • ICUでは、集中的に治療が必要な患者さんを24時間体制で観察・看護します。急変にも迅速に対応できる、確かな知識や技術が必要とされています。
  • 外来には、毎日たくさんの人が訪れます。患者さんの状態を把握し、迅速に対応する必要があります。

■看護師を目指す上での実習から見る看護師の仕事
看護師に求められる知識や技術を学ぶ段階では、対象となる人の違い・健康状態の違いに応じた実習を積み重ねます。実習と一口にいっても、その内容はいくつかに分類されているのです。ここから仕事の内容をうかがい知ることもできるでしょう。実習分類の一例を挙げます。

基礎 看護の基礎となる日常生活の援助を学びます(病院実習)
母子 妊娠・出産・産褥各期の看護、小児の看護を学びます(病院、母乳育児相談室、幼稚園など)
地域 地域で生活している方の看護を学びます(保健センター、訪問看護ステーションなど)
老年 老年期にある人の看護を学びます(病院、老人保健施設など)
成人・慢性 成人期で慢性疾患をもつ人の看護を学びます(病院)
成人・急性 成人期で手術を受ける人の看護を学びます(病院)
精神 主に精神疾患をもつ人の看護を学びます(病院、デイケアなど)

看護師の活躍の場

看護師の職場は病院や診療所以外にも、訪問看護ステーションや福祉施設、介護老人保健施設、一般企業、学校など様々です。看護師全体のうち、病院や診療所に勤める看護師の割合は、1990年の約95.7%から2000年の89.6%へと減少傾向にあり、看護師の職場が多様化していることをうかがわせます。

看護師の年次×就業場所別統計

  1990年 2000年
  人数 比率 人数 比率
就業看護師 404,764   653,617  
病院 351,138 86.8% 516,928 79.1%
診療所 36,068 8.9% 68,805 10.5%
訪問看護ステーション     18,575 2.8%
介護老人保健施設 888 0.2% 10,328 1.6%
社会福祉施設     14,852 2.0%
学校 688 0.2% 1,187 0.2%
保健所 1,060 0.3% 1,134 0.2%
看護婦学校・養成所 6,665 1.6% 10,102 1.5%
その他 8,257 2.0% 11,706 1.8%

厚生労働省統計表データベースシステム
厚生統計要覧
「就業保健師・助産師・看護師・准看護師数,年次×就業場所別」 より抜粋

●病院・診療所
前段にもある通り、90%近くの看護師が職場とするのは、病院や診療所です。一口に病院といっても、規模や立地、目的とする医療などによって、様々な違いがあります。

●訪問看護ステーション
1992年から老人訪問看護制度が始まり、今では全国に5000カ所以上あるといわれています。高齢化が進み、自宅の世話や医療的なケアを行う訪問看護は、ますます重要になっています。主な仕事の内容は、健康のチェックや病状の観察、身体を清潔にすること、リハビリテーションの指導など、多岐にわたります。自宅で安心して日常生活が送れるよう、同居する家族とのコミュニケーションをとり、介護の疲れを癒しながらアドバイスを行うのも訪問看護師の大切な仕事です。

●介護保健施設・社会福祉施設
看護師が働く主な保健福祉施設には、高齢者を対象とする介護老人保健施設、障害者を対象とする更正施設、子供を対象とする児童福祉施設などがあります。これらの施設では、福祉の専門家と連携し、日常生活の自立を支援していきます。心身に障害がある人が自分らしく生き生きと生活していけるよう、幅広いケアが必要とされます。

●企業の医務室・健康管理室
社員の健康意識を高めるため、企業内に医務室や健康管理室を設けているところがあります。企業で働く健康な人が病気を予防するために、健康相談に応じたり、定期的に健康診断を実施したりします。一人一人のデータをチェックし、病気の早期発見や精神面のケアなど重要な役割が求められます。

● 養護教諭
養護教諭は、学校保健室で生徒の健康管理や応急処置を行います。定期的な健康診断の実施や風邪や虫歯予防などの保健指導が主な仕事になりますが、最近ではいじめや不登校などの問題が増えていることから、生徒の心身の健康に関わるカウンセリング能力が求められ、成長段階にある子供の支えになり、優れた観察力や判断力が必要とされています。保健師国家試験合格後、申請により二種免許状が取得できます。

看護師になるには

看護師の国家試験を受験するためには、養成校で学ぶ必要があります。また、養成校により修業年数が違います(下図参照)。最近では医療の高度化にともない、高い水準の看護に対応できる人材が求められていることから、大学や大学院などで科学的・論理的な思考力を身につけ、深く広く学ぶニーズが増えています。

●看護師へのルート

中学卒業
准看護学校(2年) 高校衛生看護科 (3年) 高校(3年)
准看護婦知事試験
(実務経験
3年)
進学課程(2年) 大学(4年) 短期大学(3年) 統合カリキュラム校(4年) 専門学校(3年)
(4年制大学へ編入)
看護師国家試験
合格して看護師へ!