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受験生のための職業ガイド

保健師のしごと

保健師とは

保健師は、地域の保健医療福祉チームの一員として、地域保健活動を行っています。看護職の中では、助産師が主として妊娠・分娩・産褥への援助を、看護師が病気で損なわれた健康を取り戻すためのケアを中心に行うのに対し、保健師は地域に生活しているすべての人々を対象としています。すなわち、子どもから高齢者、健康者から病気をもちながら在宅で暮らしている人々までさまざまです。それらの人々が地域の中で家族や近隣の人々と共に健康な生活を送ることができるようサポートする看護の役割を担っています。

地域とは、地理的環境を指すと同時に共通の関心事やルールを共有する地域社会をも意味します。個人は家族を構成して地域社会の中に暮らしており、人間の健康は生活や環境に大きく影響されます。それゆえに、地域保健活動は、健康と生活を自然科学と人文・社会科学の両面からとらえ、よりよく生きることを目指した活動であると言えます。

保健師の仕事

保健師の主な働き場所は市町村の保健センター、保健所、会社などの企業、学校、訪問看護ステーションです。働く場所によって対象となる人々の特性は異なりますが、個人と集団の視点から人々の健康問題を捉えて支援していきます。具体的には健康相談を開設して人々の健康の相談にのったり、病気を予防するための健康教育をしたり、また、健康診査(検診)を実施して病気の早期発見に努めるなどの活動に力を注いでいます。保健師は、個人をはじめとして、家族、集団、さらに地域全体を対象として看護活動を行います。そのためには、個人の健康、生活の状態、地域社会の現状についての知識も必要となります。

地域における保健師の役割は、まとめると、次の5つになります。

1. 個人や家族、集団や、地域住民全体の健康状態と健康障害について、また、これらに関連のある環境の状況について観察し、それを看護活動に生かしていくこと
2. 在宅で療養している個人・家族が、一貫性のあるケアを受けられるように看護を提供していくこと
3. 個人・家族にとって身近な「健康についての良き相談者・指導者」であること
4. 個人・家族が利用できる社会資源の情報提供をしたり、必要な社会資源を作り出すこと
5. 個人・家族が希望している健康生活に関する声を、看護の専門者の立場から行政に反映させていくこと

保健師の活躍の場

●保健所
都道府県や政令指定都市、中核市、特別区主体となり、2003年7月現在全国に582ヶ所が設置されています。ここでは医師をはじめとする専門職者が援助活動を行います。保健所の保健師は、管轄している市町村の健康問題を把握し、関係者と協力の上保健計画の作成をして事業を実施します。保健関係の研修企画や実施、地域のケアシステムに関する検討会の開催、結核の蔓延防止、O-157などの感染症対策は重要な業務です。また災害時には、保健所が中心となり住民の安全と健康面の保持のために活動します。

●市町村保健センター
市町村保健センターは、地域住民にとって暮らしや健康について相談する身近な機関です。活動は、母親学級や妊婦相談、乳児の家庭訪問など母子に対する活動をはじめ、成人に対する健康診査とその後の保健指導、生活習慣病の予防教室の開設、痴呆症患者の訪問などがあげられます。近年は「健康日本21」に基づいて、健康な寿命を延長するために、「ヤング・オールド(若々しい高齢者)作戦」や「支え合うあたたかな地域づくり」の仕事に力を注いでいます。 → 「健康日本21」ホームページ

●福祉関連施設
最近では市町村の福祉課に保健師が配属され、ケースワーカーやホームヘルパーとともに、障害者や高齢者のお世話をしています。その活動は、寝たきりのお年寄りを訪問して日常生活を支援し、家庭の状況や近隣との関係も参考に、問題点があれば改善策を立てます。さらに、福祉サービスやリハビリの導入が必要な場合はその調整を行い、自立した生活を支援します。地域の関係機関と連携し、また、住民自身にも参画してもらうことで、暮らしやすい町づくりに取り組んでいます。

●病院・診療所
病院や診療所に保健師を置くケースが増えています。保健師はここで、患者の療養相談や健康教育、療養効果を高めるために病棟との連携を強めています。また、退院後のフォローとして訪問看護も実施する場合もあります。地域で患者が療養しながら安心して生活できるように支援しています。地域の保健師やケースワーカー、家族と連絡をとり、医師や看護師を交えた退院後の受け入れについて話し合いを行うこともあります。

●事業所・企業
労働から起こる健康障害を予防し、さらに快適に働けるように職場環境を適切にしていくことが産業保健師の役割であり、労働に関わる法律面の知識も必要です。保健師は、職場の健康・衛生に関する相談・教育・指導をはじめ、健康診断やフォローを行います。労働者の健康問題については、ストレスなどによる精神的なダメージの深刻化や過労死といった社会問題化した側面もあります。これらの課題に取り組むため、産業保健師は職員が働いている環境を観察し、健康問題の早期発見や健康管理に努めます。

●児童施設
保育所や児童相談所において、保健師は保育士と協力し合い、健康診断、予防接種、保育所の環境管理などを行っています。また、障害児の入園に際して保育士をサポートし、服薬の管理を行うといったことも保健師の業務となるでしょう。近年、乳幼児への虐待や、親の病気などによって子供が保護を必要とするケースが増えています。保健師は、ケースワーカーや心理相談員、医師などと連携して虐待防止活動に力を注いでいます。

保健師になるには

●保健師へのルート

高校(3年)
看護大学(4年) 看護師養成所 / 看護短期大学(3年) 統合カリキュラム校(4年)
(4年制大学へ編入) 短期大学専攻科保健師課程 / 保健師養成所(1年)
看護師国家試験 看護師国家試験
保健師国家試験
合格して保健師へ!