天使大学インタビュー

今になって思う、自分と向き合う時間の意味。

天使大学看護栄養学部看護学科2007年3月卒業
禎心会病院脳神経外科急性期病棟

わたしが働いているのは脳神経外科病院の急性期病棟なので、脳梗塞(こうそく)、くも膜下出血、脳出血などを発症して間もない方が来ます。1分1秒を争うような生命の危機や、ドラマに出てくるようなシビアな場面を想像されるかもしれません。もちろんそうした状況に向き合うこともあるのですが、仕事の内容にはもっと幅があります。一言で「脳の損傷」と言っても、その部位によって障害の出方が全く異なるからです。多くの患者さんは命の危機を脱した後で、それまで普通に行っていたことができなくなるという新たな壁に直面します。想像してみてください。急に手足が動かせなくなったり、言葉を使えなくなったり、うまくものが食べられなくなった時、あなたならどう感じるでしょう。そうした心理的なダメージへのケアも、私たちの大切な仕事です。

 天使大学ではミサの時間がありました。学生時代は「これが看護師として働く上で何の役に立つんだろう?」と感じたこともありました。しかしその時間は、自分を深く見つめることを通して、相手の心情に気づくための、大事なトレーニングだったんじゃないかと、今になって思います。今のわたしは、患者さんの想いを突き詰めて考えることでケアの質が変わることを知っています。これは天使で学ぶ間に自然と身についた態度と、どこかつながっているような気がします。




健康について必要とされる支援を、必要とする人に届ける。

天使大学 看護栄養学部 看護学科 2005年3月卒業
北海道後志保健福祉事務所
保健福祉部健康推進課 保健予防係 保健師

天使大学を卒業後、保健師として北海道に就職しました。倶知安町にある保健福祉事務所(北海道倶知安保健所)に配属されて5年、後志(しりべし)管内の15町村で暮らす住民の健康を支援しています。道の保健師は、管轄している市町村の健康問題を把握し、関係機関と連携しながら地域保健活動を行います。私のいる保健予防係では、感染症対策やALS※などの難病を抱えている方々への支援に取り組んでいます。他にも精神障害を抱えている方の社会復帰や生活支援、児童虐待予防対策、健康教育、保健関係の研修企画や実施に取り組む係もあります。

看護師が病気で損なわれた健康を取り戻すためのケアを中心に行うのに対し、保健師は地域に生活しているすべての人を対象に予防的な視点で支援を行います。ここが看護師の仕事と異なる部分です。病気や障害を抱えていても、住み慣れた町で安心安全に生活を送ることができるよう支援を行うことが大切な役割です。天使大学での学びを通して身につけた、仲間どうしがそれぞれの役割を果たせるような関係を作る力、人に対する姿勢は、今の仕事でも生きています。インターネットで「後志保健福祉事務所」を検索してもらうと、保健師の仕事内容を調べることができます。興味のある人はぜひ読んでみてください。

※ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis):重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患。筋萎縮性側索硬化症。

保健師として働くことに、やりがいを感じています。

天使大学 看護栄養学部 看護学科 2005年卒業
札幌市清田区保健福祉部(清田保健センター) 保健師

天使大学を卒業後、保健師として札幌市に就職しました。清田区の保健センターに配属されて3年、母子や成人の保健、地域の健康づくりに関わる仕事をしています。乳幼児健診や育児支援教室の実施、生活習慣病予防を目的とする運動教室や健康教育の運営、区民の方の健康づくり活動への支援など、業務の内容はさまざまです。こうした仕事の他に、自分の担当地域を受け持ち、育児不安などの悩みを抱えている母子や、健康に関する相談が必要な方に対する支援にも取り組んでいます。

天使大学では専門科目のひとつとして「家族看護学」を学びます。『個人だけを見てサポートするのではなく、その方の背景にあるものを含めてサポートする』という考え方を深く掘り下げて学んだ経験は、保健師として大切な視点の基礎になっていることを実感しています。人との接し方についても、大学の先生方の穏やかな姿勢や親身な対応から学んだことは、今なお私の中で生かされています。

いろんな感じ方があるから、ベストが見つかると思います。

天使大学看護学科 2004年卒業
北海道社会保険病院 呼吸代謝科 看護師

肺がんの患者さんには若い方も多くて、もう有効な治療がない段階であっても、そのことを受け入れられない場合があります。緩和ケアを勧めても耳を傾ける気持ちになれないとか、家族の方が病状を受け入れられないとか。こうしたケースは大学でも習いましたが、頭での理解と現実は全く違います。一生懸命相手の立場に立った看護を勉強したつもりですが、まだどこか他人事だったのかなと思うときがあります。

本当の事を求めて、もっと自分から勉強するのが大学だと、先生たちは何度も繰り返していました。天使の先生はとにかく「患者さんのため、患者さんのため」と言います。私もそこで学んできたから、やはり同じような見方をしてしまいます。同じ患者さんの話でも、スタッフによって受け止め方はさまざま。いろんなスタッフがいて、いろんな見方があるから患者さんにとってのベストが見つかると思っています。2年目の今、やっと自分の感じ方を周りのスタッフに伝えられるようになってきたところです。

対象のペースに合わせて支援する仕事に、やりがいを感じます。

天使女子短期大学衛生看護学科2002年卒業
専攻科2003年修了
札幌南保健センター 保健師

助産師を目指す中で、育児困難や虐待の問題を学びました。そこで、出産後の長い育児の過程でつまづく人がいて、そうした方を支援する保健師の仕事を知りました。悩んだ末に私が選んだのは、助産師ではなく保健師です。行政の立場から、あらゆるライフステージの地域住民を対象に、みずから支援を求められない人も含めて、よりよい健康に向けた援助を行っています。

札幌にはたくさんの人が住んでいるのに、孤独の中で育児と向き合っているお母さんが本当に多くいます。こうした状況でお母さん同士をつなげ合わせたり、地域の資源を上手に利用してもらうこと、つまり、一人ひとりのお母さんを孤独にさせず地域とつながりを持たせることが私たち保健師の役目だと考えています。育児困難や虐待の問題を抱える人については、その人の生活の場に入って、その人のペースに合わせて支援しています。自治体の限られた財源を生かして、最大限の仕事に取り組む手腕も求められています。忙しく責任も重い仕事ですが、おもしろさややりがいを感じながら日々働いています。