天使大学インタビュー
助産実践を通して、後輩育成を実践していきたいと考えています
天使大学大学院助産専攻科(教育分野)2年
滋賀県立総合保健専門学校出身
助産研究科の教育分野は、2009年に新たに設けられた新分野です。助産師としての経験を重ね、新人や後輩に対して教育者としての関わりを求められるステージにある助産師に学びの場を提供しています。この新分野で学ぶ現役の大学院生にお話を伺いました。
略歴
助産師としての臨床経験は12年間。分娩介助やNICUなどの現場で働きながら、新人や後輩助産師の教育にたずさわってきました。滋賀医科大学医学部附属病院(産婦人科・小児科)を退職して、2009年4月に天使大学大学院助産研究科へ進学。
天使大学の大学院助産研究科 助産専攻教育分野に進学した理由は何ですか?
私が12年間と長く大学病院で働いてきたのは、助産院のような家庭的な助産ケアを望みながらも、大学病院でしか産めない女性もいるとわかったからです。このような女性に対し、大学病院であっても、対象が望む助産ケアができるのではないかと考え今まで同じことを考えている助産師仲間と頑張ってきました。
そうした中で、勤務5年目頃から看護・助産師学生の臨床指導や新人教育を担当するようになりました。初めは、どのように教育をしていけばいいのか手探りでしたが、経験していくうちに、学生やスタッフが成長していく過程を見て、臨床で教育していくことに興味を持つようになりました。そして、教育者として経験を重ねていく上で、後輩や学生に何かを伝える時、今までの自分が受けた教育や経験をそのまま伝えるすべしか知らない私が、教育者として後輩育成をしてもいいのかと考えるようになりました。その時に、この天使大学大学院助産研究科に助産教育分野があることを知りました。天使大学大学院では、助産師の後継者を指導・教育する能力を修得すると共に、これまでの教育では1コマで終わっていた内容を新しい科目として履修し、自らの臨床実務を再点検することを主な教育目標としているところに魅かれました。また、この大学院では、メントーシップによって担当の専任教員が学習を支援してくれることもあって、私の求めている教育が受けられるのではないかと思い、天使大学大学院に進学を決めました。
何を学んでいますか?
入学して、まずは、助産学の基礎知識を授業や自己学習をしながら復習をしました。その後、臨床実習をし、助産師としての実務の自己点検をしながら、自己課題を見出しました。その中で、今までの助産観を見つめ直すいい機会になりました。その後は、教育の理論を講義で学びました。この時は、教育に熱意を持った教授陣からの講義や様々な臨床経験や教育経験を持ったクラスメート間でディスカッションし、学生理解や教授方法、教育者としてのあり方を学びました。その後は、自分なりに大学院での助産師教育のカリキュラムを作成し、基礎分野の助産師学生に授業を展開し、臨床教育実習で、助産師学生が、学内で学んだ知識を臨床の実習を通して統合できるように、教員の立場で学生を支援する経験をし、学生理解について学びました。
この学びから、これまで、実習で出会った学生の臨床指導をしてきたのですが、学生がそれまで、どのように学内で学び、どのような気持ちを抱きながら学習をしているのかを改めて学ぶことができました。また、学校の教員がどのような教育観を持ち、学生の支援をしているかを学ぶこともできました。
大学院進学に必要なお金を、どう用意しましたか?
私は、学費と生活費を今までの貯金と退職金で賄っています。自分の経済プランでは、今までの貯金で学生生活が可能であると考えていたため、奨学金は使っていません。
社会人から学生になり、あまりお金を使うことはないだろうと考えていましたが、金銭感覚は、そう簡単に変えられないことがわかりました。そのため、服を買わないように決めたりしましたが、なかなかうまくいきませんでした。また、生活費に加え、必要図書の購入や実習の交通費もあり、予想以上に出費しました。私は、進学を予定して貯金していたわけではありませんが、社会人の時の貯金だけで、アルバイトをせず学生生活はなんとかやっていけます。
将来設計について聞かせてください。
私は、助産師として今後も実践者としてやっていきたいので臨床に戻ります。また、教育者としても、助産実践を通して、後輩育成を実践していきたいと考えています。
今後は、対象によい助産ケアができるように勤務している助産師だけでなく地域の助産師、そして必要時に医師と協働できるよう、ネットワークを作っていきたいと考えています。
また、助産教育に関しては、教育者や教育担当者のみが携わるのではなく、スタッフ皆で後輩育成があたりまえにできるような職場環境にしたいと考えています。
安心して子育てできる地域づくりのために、助産師として役立ちたい。
天使大学大学院 助産研究科
助産教育分野2年
釧路赤十字病院(休職中)
わたしの分娩介助件数は助産師として13年間で1,100件を超えました。キャリアを重ねる中で若手助産師の教育にも取り組んできたのですが、一度立ち止まって、地域に必要な実践的な助産を学び直す必要を感じていました。職場の理解と助けもあり、今こうして大学院で後輩助産師を育てるカリキュラムの作成に取り組んでいます。わたしはこの先も釧路のために働きます。釧路に住む人が安心して子育てできるように、自分が大学院で学んだことを一つ一つ還元していきたいです。
助産師として自信をもって働きたい。そのためにどこで学ぶべきか考えました。
天使大学大学院 助産研究科
助産基礎分野2年
看護学生時代に、地元の開業助産院を見学して助産師になるための準備を本格的に始めました。実習先に仕事ができると評判の助産師さんがいて、その人が天使の助産研究科の修了生だと知りました。それが天使に興味をもったきっかけです。自立した助産師として自信をもって働きたい。そのために、最初の教育をどこで受けるべきか真剣に考えました。複数の学校のカリキュラムを自分なりに見比べ、内容の違いを検討し、オープンキャンパスにも足を運びました。すべて自分の目で確かめた上で進学先を決め、いまここで学んでいます。
資格認定を受けて大学院に挑戦しました
助産研究科 助産専攻2年
3年制の看護学校を卒業して2年間、産婦人科に勤務しました。天使大学大学院助産研究科の受験資格は看護師資格を持つ4年制大学卒が原則ですが、 私のように3年制の看護学校を卒業した者にも、資格認定を経て大学院入試に挑戦する道が用意されています。去年は21週間の病院実習で10例の出産に関わりました。個人差はありますが、修了までに13~17例くらいの経験を積めると思います。自分の臨床経験をさかのぼって気づくことも多く、実践と知識をしっかり結びつけながらよい助産師をめざして勉強しています。
私が天使を選んだ理由
助産研究科 助産専攻2年
天使の助産研究科に入るまでのキャリアを聞かせて下さい
北海道医療大学を2001年に卒業した後、実家に戻り地元の助産学校に入学しました。1年で助産師の資格が取れる学校を選びましたが、事情が重なり卒業には至りませんでした。その後札幌で、混合病棟の看護師として採用され、就職しました。産婦人科、糖尿病内科、NICUなどを経験しています。2年ほどして勤務先の産婦人科が閉鎖。医師の不足が原因でした。助産師を志す気持ちを持ったまま産婦人科の看護師を務めていた事もあり、それを期に退職し、助産師として再スタートする事を決意しました。
天使の助産研究科を選んだ理由は
一度挫折した経験があるので、自分の中に比較の対象というか、一定の基準がありました。学校に対して、この点はこうあって欲しいという基準です。そこを一つひとつ確認した結果、天使を選んでいます。学校説明会で大学院のスタッフや先生から直接お話を伺いましたし、施設も自分の目で見てすばらしいと思いました。何より良いと思ったのは、40名の定員に対して16名の教員が配置されている事です。著名な先生が多いのは皆さんご存じの通りですし、科目の専門性を伝えるにふさわしいスペシャリストが授業を担当しています。この点は非常に重要だと思います。情熱にあふれた専門家と同じ教室で過ごせる事は、単に習うという事とは異なる体験です。天使が提供している環境は、普通なら手に入らない種類のものだと私は思います。
学費について教えてください。
学費に関する考え方は人それぞれなので、参考程度に私の経験をお話しします。看護師時代の年収は、400万円を少し超えるくらいでした。これを一時停止して学生に戻る事には、確かに勇気が必要です。ただ、私の前の職場では、臨床を離れて学校に戻り、資格を取って臨床に戻るという事が、特別ではありませんでした。そういう先輩が多かったので、必要に応じて臨床と学校を行き来する事には抵抗がありませんでした。
復学を意識してから貯金を始めて、結局、2年分の学費くらいは用意しました。結婚していますし主人も普通の人ですから、特別な支援はありません。学生生活を続ける上で必要な費用の予測が付かなかったので、貯金は全て温存しました。銀行の学資ローンで初年度の納入金を賄っています。復職すれば返済は可能ですから、借りる事には抵抗がありません。1年学んでみて、授業料以外の支出はそれほどでもなかったので、2年目の学費は貯金から出す予定です。
1年学んでみて、どうでした?
他力本願な意味ではなく、モチベーションが下がらないですね。もっと勉強しよう、と毎日思っています。これは、専門家であるとともに情熱的な教育者である先生に囲まれているからですね。それと、同期の仲間の影響も見逃せません。年齢も経歴も様々な人が、それぞれに助産師を目指して集まっています。教わること学ぶことについて、密度が濃い毎日を過ごしているのです。
助産師には、正常な分娩に関してある程度の自律性が認められています。独自の判断でケアを行う事が出来るし、開業権も認められている。この仕事を続ければ、自分の信じるやり方を形に出来る、そういう生き方を選択できると信じています。
自分の将来のために、資格だけを最短距離で取って現場を目指すのではなく、2年間で基礎を固めたい。学び方を学んだ上で、確かな一歩を踏み出したいのです。毎日好きなだけ勉強に没頭できる日々は、そうそう手に入るものではありません。今を大切にしたいと思っています。