この春、助産師として歩き始めました
天使大学大学院 助産研究科 2006年修了
天使病院勤務 助産師
天使の助産研究科に入るまでのキャリアを聞かせて下さい
天使の看護学科を卒業してストレートに進学しました。この春卒業して、これがはじめての社会人経験です。まだ配属されて10日くらいしか経っていませんから、新しい環境に慣れるのに必死なんですよ。
※このインタビューは、2006年4月10日に行いました
天使の助産研究科に進んだ理由は
学部での勉強が進むうちに、4年間では学び足りない、もう少し続けたいと感じるようになりました。訪問看護や慢性疾患の分野にも興味がありましたが、母性や母子に関する実習で手応えを感じ、専門職者としてとても尊敬できる助産師さんや大学の先生と出会いました。そのような経験もあって、継続支援が鍵を握る分野で、長いスパンで患者さんと接するケアに自分の身を投じてみたいと考えて、助産師を目指しました。
大学院時代の出来事で、強く印象に残る話を聞かせて下さい。
卒業直前に、札幌市内の私立女子中学校で性教育の授業を行いました。性教育特論の集大成となる実習で、人工妊娠中絶などもテーマに織り込んだ2時限のプログラムです。教育という言葉からは「教える」事を連想しますが、教える者はより多くを学ばなければなりません。1度限りの授業でも、相手に与える影響の大きさを考えれば、準備しすぎという事はないのです。命の大切さ、自分を大切にすると言う事、女性の権利、こうした奥行きのあるテーマについて、6人のチームであらゆる角度から考え抜いた末に授業に臨みました。イマドキの中学生からは、活発な反応は期待できないと聞いていましたが、実際の様子は全く違いました。彼女たちの知識には誤りもあるのですが、興味と関心、質問の鋭さと理解する力は想像以上でした。活発な意見がどんどん飛び出す教室の中で、先生が生徒から学ぶとはこういう事かと実感しました。
教育に関心があるのですね。
シャー先生から助産教育方法論を、トンプソン先生から倫理を習いました。お二人とも英語で授業を行うので、最初は、言葉の壁が障害になって理解できないのではと不安でした。ところが実際には、先生の人間性や私たちに接するときの自然な姿から学ぶ事がたくさんありました。通訳が入り表現も平易なので、授業内容についても理解できます。また、先ほどの性教育特論の指導をして下さった大石先生は、付かず離れずの距離で見守りながら要所で的確に指導して下さいました。私たちの力を信じて引き出すような教え方なのだと思います。
このように、言葉や技術、情報だけではなく、教育者としての情熱から伝わるものが多くあります。講義の内容には、難しい部分やすぐには納得できない事もありますし、自らの価値観と向き合う事を余儀なくされる場面もありますが、感じながら多くを学びました。
これから出会う妊婦の方に、お母さんに、あるいは一人ひとりの女性に、中身のある何かを伝える事も助産師という仕事の本質だと思います。私は、すばらしい助産師の先生に教わったのだから、自分もそれをつなげていかなければならないと強く感じています。多くを学んで的確に伝える事を教育というなら、私の関心は、そこに向けられていると思います。
でも、私の助産師としてのキャリアは、いま始まったばかり。現場にいて、一つひとつの事を自分の目で確かめて、現実を知るのがこれからのステップです。前を見て、専門職者としての自分の方向をしっかり見極めたいと思っています。
