2008.01月 ストレスに負けない体づくり
Ⅰ.ストレスとは何か?
ストレスという言葉の始まり
現代はストレス社会とも言われ、ストレスという言葉は専門家のみならず、一般の人々にも日常的に使用されるようになりました。しかしもともとストレスという言葉は、工学の分野で使われていた言葉で、現在の意味で使われ始めたのは、カナダのハンス・セリエ(Selye,H.)博士が1936年に「ストレス学説」を発表してからのことです。
ストレスとストレッサーとは
セリエが定義したストレスとは、「外界からの侵襲に対して生体が適応する際の生体メカニズムのこと」で、外界からの侵襲自体のことをストレッサーと呼びました。以後ストレスの研究は多岐にわたって盛んに行われており、これらの研究に伴いストレスに関する様々な定義が試みられています。
ストレスのかかった状態を表すのに、よくゴムボールに例えられることが多いのですが、「ストレス」とはボールに圧力がかかり、ひずんだような状態を言います。この時、ストレス状態を引き起こす刺激を「ストレッサー」と言います。

ストレッサーの種類
- 物理的・化学的ストレッサー:温度、騒音、化学物質、大気汚染、地震などの天災等
- 生理的ストレッサー :睡眠不足、過労、栄養不足、病気、怪我、ウイルス、等
- 心理的・社会的ストレッサー:人間関係の葛藤、欲求不満、職場環境、結婚、育児、離婚、昇進、失恋等
Ⅱ.ストレスがかかるとどうなるのか?
Ⅲ.ストレスマネジメントの方法
1.ストレス状態にあることに気づきましょう
ストレスマネジメントの第一歩は、まず自分がストレス状態にあることに気づくことから始まります。みなさんは忙しい毎日の中で、不安や落ち込み、イライラなど気分の変化を見過ごしていませんか?健康的な生活を維持していくためには、日常生活における心身の不調を予防・改善していくことがとても重要となりますので、ストレスがたまったときに起きるちょっとした変化(上記の一次反応参照)を見逃さないように心がけましょう。
2.生活リズムを整えましょう
適切な食事の摂取、活動と休息のバランスなど基本的な生活を整えることは、身体だけでなく、心の健康状態を回復したり維持する上でとても重要なことです。また普段から規則的な生活を送るように心がけ、健康を維持することによってストレスに耐えうる力を蓄えておくことも大切です。
3.気分転換を図りましょう
いくらストレス社会と言われる現代であっても、常にストレッサーに直面し続けることはできません。時にはその問題から離れて楽しむ時間を適度に過ごすことによって、過度のストレス状態を和らげたり、新たなエネルギーを蓄えたりすることが必要です。
適度な運動:
ウォーキングや水泳、ヨガなどゆっくりと全身を動かす有酸素運動がストレスへの適応性を高めると言われています。自分に合った楽しめる有酸素運動を取り入れることで身体機能も向上すると同時に、精神的にもリフレッシュできストレスへの適応を高めることになります。
リラクゼーション:
心と体の緊張をときほぐし、ゆったりとした気分になるためにアロマテラピー、リンパマッサージ、自律訓練法として腹式呼吸など様々な方法があります。またリラクゼーションの方法や効果は人によって異なります。あなたも自分に合ったリラクゼーションを見つけてみてはいかがですか?
4.周囲からの援助を受け入れましょう
ストレスを抱えている時は、一人で何とかしようとせずに他者に支援を求めたり、他者が提供してくれる支援を受け入れることが必要です。そのためには普段からサポートを提供したり受け取ったりできるような人間関係を作っていくことが必要です。
Ⅳ.適度なストレスを~良いストレスもある
今まではストレスの悪い側面について述べてきましたが、実はストレスには「悪いストレス」と「良いストレス」があるのです。一般的に「ストレス」という言葉は、過労や不安など不快な気分になったりやる気をなくしたりするような刺激とその状態、つまり「悪いストレス」という意味で使用される場合が多いように思います。一方「良いストレス」とは、目標や夢、スポーツなど自分を奮い立たせてくれたり、元気にしてくれたりするような刺激とその状態のことです。
これら両者ともにストレスであることに変わりなく、過剰な場合はやはり心身の調子を崩してしまいます。しかしストレスの少ない状態が続くと緊張感がなく、かえって心や体を鈍らせることにもなるのです。
そこで前述のセリエ博士が「ストレスは生活のスパイスである」と言っているように、「悪いストレス」は受け止め方を変えたり、何とか解消することによって少なくする一方で、適度な「良いストレス」を持つように心がけることが重要なのです。
【参考文献】
- 福居顯二:ストレスとうまく付き合うQ&A,ミネルヴァ書房,2000
- 坂野雄二監修:学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル北大路書房,2004
- 上里一郎監修:シリーズこころとからだの処方箋,ストレスマネジメント-「これまで」と「これから」-ゆまに書房,2005
- 大野裕:こころが晴れるノート,創元社,2003
- 島悟:ストレスとこころの健康,ナカニシヤ出版,1997

