ケアって、どういう意味だろう?

2007.11月 「かぜ」を予防する食生活について

「かぜ」とはどのような炎症のことなのでしょう?

「かぜ」とは、急性の気道の炎症で、鼻腔・咽頭・気管・気管支などの粘膜の急性炎症が組み合わさった総称です。咽頭炎や喉頭炎というかわりに「かぜ」と総称しています。医学上では「かぜ症候群」と呼ばれています。

「かぜ」の症状はどのようなものでしょう?

鼻づまり、鼻水、のどの痛み、くしゃみ、せき、たん、寒気、発熱、倦怠感、食欲不振、関節痛などがあげられます。「風邪は万病のもと」といわれますが、悪化すると肺炎となり、生命が危険にさらされることもあります。

かぜの中にインフルエンザも含まれますが、38~39度の高熱が特徴です。その他、倦怠感、関節痛などの全身症状が起こります。インフルエンザウイルスは、気温や湿度の低下によって、人間の体力が低下し、体の免疫力(病気に対する抵抗力)が弱まっている冬に猛威をふるいます。

「かぜ」に負けない体になるには、どうしたらよいでしょう?

体の免疫力(病気に対する抵抗力)を高めましょう。

免疫力を高めるためには、十分な栄養と睡眠と休養が必要です。栄養状態が悪いと免疫力だけでなく粘膜や皮膚表面の感染防御機能も低下し、かぜをひきやすくなります。ふだんからバランスのとれた食事(2007年7月号を参照)を心がけると同時に、免疫力を高める食品を食事に取り入れるようにしましょう。今回は、免疫力を高め、かぜ予防に影響を与える「ビタミン」に着目してお話します。

免疫力を高めるビタミンの種類と食品
1.脂溶性のビタミン

油に溶けるビタミンです。油と一緒に食べると体内に吸収されやすいビタミンです。

ビタミンA

うなぎ、豚レバー、にんじん、ほうれん草、かぼちゃなどに多く含まれています。皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、ウイルスの侵入を防いで病気への抵抗力を高めます。

〔1日の推奨量〕
15~17歳 男性:700mg、女性:600mg
18~29歳 男性:750mg、女性:600mg

ビタミンE

アーモンド、落花生、すじこ、かぼちゃなどに多く含まれています。細胞膜の酸化を防ぎ、活性酸素から細胞を守ります。生活習慣病や老化を予防するほか、血行をよくし、肩こり、頭痛などに有効です。

〔1日の目安量〕
15~17歳 男性:10mg、女性:9mg
18~29歳 男性: 9mg、女性:8mg

2. 水溶性のビタミン

水に溶けるビタミンです。水分と一緒に体外へ排出されやすいため、体内に蓄えることができません。毎日の食事から摂取しましょう。

ビタミンB1

豚肉、うなぎ、玄米、大豆などに多く含まれます。糖質をエネルギーに変える重要なサポートをします。また神経機能の働きを正常に保つ役割もあります。

〔1日の推奨量〕
15~17歳 男性:1.5mg、女性:1.2mg
18~29歳 男性:1.4mg、女性:1.1mg

ビタミンB2

豚レバー、うなぎ、卵、納豆、舞茸などに多く含まれています。糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変えるサポートをします。体内で有害な過酸化脂質の分解を促進します。

〔1日の推奨量〕
15~17歳 男性:1.7mg、女性:1.3mg
18~29歳 男性:1.6mg、女性:1.2mg

ビタミンC

柿、いちご、みかんなどの果物や、赤パプリカ、ブロッコリー、じゃがいもなどに多く含まれています。コラーゲンの生成を助ける働きがあり、皮膚、粘膜の機能維持(つや、弾力性など)をもたらし、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高めます。抗酸化作用があり、ビタミンEと一緒に摂ることでより効果が高まります。鉄の吸収を高め、貧血予防をサポートします。

〔1日の推奨量〕
15~17歳 男性:100mg、女性:100mg
18~29歳 男性:100mg、女性:100mg

かぜをひいた時の食事

消化機能が低下しているので、胃腸に負担をかける脂肪の多いもの(揚げ物、焼肉など)は、控えましょう。消化の良いおかゆ、スープなどがおすすめです。(胃腸にやさしい食事については2006年3月号を参照)食欲がないときは、甘いものや果物などで栄養を補給してもよいでしょう。

消化の良い精白した大麦(押し麦)を入れたおかゆを2種類紹介します。是非作ってみてください。

材料 途中 完成
「かぼちゃの大麦がゆ」
【材料:2人分】
  • 大麦(押し麦) … 1/2カップ
  • 米 … 1/4カップ
  • 水 … 5カップ
  • かぼちゃ … 100g
【作り方】
  1. 米は洗ってざるにあげて水気をきります。
  2. 鍋に大麦、米、水を入れて火にかけ、沸騰したらかき混ぜ、蓋をして弱火で40分煮ます。途中で1~2回かき混ぜます。
  3. 一口大に切ったかぼちゃを入れ、10分程度煮て、出来上がりです。
材料 途中 完成
「鶏肉としょうがの大麦がゆ」
【材料:2人分】
  • 大麦(押し麦) … 1/2カップ
  • 米 … 1/4カップ
  • 水 … 5カップ
  • 麦茶 … 大さじ2(茶パックに入れる)
  • 鶏肉(骨付き) … 150g
  • しょうが … 1かけ
  • 塩 … 小さじ1/3
  • こしょう … 少々
【作り方】
  1. 米は洗ってざるにあげて水気をきります。
  2. 鍋に大麦、米、水、麦茶を入れて火にかけ、沸騰したらかき混ぜ、蓋をして弱火で20分煮て、麦茶を取り出します。
  3. 食べやすい大きさに切った鶏肉を入れ、さらに20分煮ます。
  4. 塩とこしょうで味付けをし、千切りにしたしょうがを加えて出来上がりです。

かぜのウイルスを近づけないようにしましょう!

1.マスクの着用

マスクの目的は、かぜ患者のくしゃみ、せきによって飛散する鼻汁、気道分泌物の小粒子(実際にはその中に含まれる病原ウイルス)の呼吸器への進入を防ぐことです。くしゃみやせきによって飛散する小粒子の数は、1回のくしゃみで約200万個、1回のせきで約10万個という数字が報告されています1)。マスクの着用は、自分のかぜ予防とともに、かぜを他人に移さないためにも大切な心がけです。

2.手洗いとうがい

外出先から帰ったら、必ず手洗いとうがいをしましょう。うがいは、殺菌能力のあるカテキンを含む緑茶などで行うと、水で行うより効果が期待できます。

引用文献

  • 1) Knight,V. : Airborne Transmission and Pulmonary Deposition of Respiratory Viruses in Viral and Mycoplasmal Infections of the Respiratory Tract.p.6, Table 1-3, Lea & Febiger, Philadelphia, 1973.

参考文献

  • 加地正郎、本郷誠治、小田切孝人、廣田良夫、インフルエンザとかぜ症候群、南山堂、2003.
  • 横堀英彦 他、免疫と栄養、幸書房、2006.
  • 青野治朗、松尾みゆき、最新体にいい栄養と食べ物事典、主婦の友社、2006.
  • 厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準2005年版、第一出版、2005.
  • 栄養と料理、女子栄養大学出版部、2003.12.

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