ケアって、どういう意味だろう?

2006.5月 新学期の生活管理について

この時期、体調はいかがですか?

新緑の季節の5月になりました。気分がウキウキする反面、新学期や新生活がスターした4月と比べると、5月は緊張が緩み、疲れが出やすい時期です。「4月はあんなに張り切っていたのに、最近なんとなくだるいし、やる気が起きないなー。五月病かな?」なんて感じることがありませんか?そんなときは、生活全般を見直すちょうど良い機会かもしれません。自分の健康についてちょっと考えてみましょう。

■ 健康の基本は「運動」「栄養」「休養」

「なーんだ、あたりまえのことじゃない」と思うかもしれませんが、やはり日常生活における「運動」「栄養」「休養」3本柱が健康の基本です。

日常の生活習慣と健康に関する研究は、今から30年以上も前からアメリカで行われていました。カリフォルニア大学のブレスロー博士たちは、次の7つの生活習慣が、身体的健康度や寿命と関係していることを報告しています。

  1. 喫煙をしない
  2. 定期的に運動をする
  3. 適正体重を維持する
  4. 朝食を食べる
  5. 間食をしない
  6. 過度の飲酒をしない
  7. 適正な睡眠時間(7~8時間)

(1)以外の項目はすべて、「運動」「栄養」「休養」に関連していますね。ライフスタイルが多様化している現代社会において、「間食をしない」は必ずしも健康な生活にはあてはまらないかもしれませんが、この7項目を守ることが健康維持につながることは何となく想像できると思います。

それでは、あなたの普段の生活では「運動」「栄養」「休養」がバランス良く保たれていますか?それはどのように判断したらよいのでしょうか?

■ 自覚症状の「疲労」について

まず、三本柱の中の「休養」について考えてみましょう。私たちが日常感じる、わかりやすい自覚症状は「疲れ」です。疲れは、一過性なのか、継続性なのか、段階に応じて次のように分類されます。

  1. 急性疲労:スポーツを長時間続けたときなどに起こる一過性のもので、小休止や休憩によってすぐ回復する疲労。
  2. 日周性疲労:労働やトレーニングの後などに起こり、長期間残るが、睡眠を充分にとることで回復する程度の疲労。
  3. 蓄積性疲労:疲れの蓄積が起こり、それが継続して簡単に回復しない疲労。

私たちが日常感じる疲労は1と2ではないでしょうか。疲労を感じたときに、「休養」つまり休憩や睡眠をしっかりとらないと、一過性の疲労が継続性の疲労へと移っていってしまいます。健康の三本柱の中で、「休養」はもっとも身近な指標といえます。

■ 疲労を効果的に回復しましょう

疲労を回復させるためには、血液の循環を良くすることが大切です。血の巡りが良くなることで、老廃物(疲れの原因物質)は素早く取り除かれ、体の細胞に充分な酸素と栄養が届けられます。体を動かすと血液の循環が良くなるため、「運動」はとても効果的です。激しい運動では「疲労」してしまうので、日常の軽体操、ウォーキング、ジョギング、風呂などが良いでしょう。

また、「運動」に加えて、疲労回復には「栄養」が欠かせません。欠食しないこと、食事時間を規則的にすることは、バランスのとれた食事の内容と共に、とても重要なことです。また、激しい運動後の疲労時には、体はさまざまな病気のもとになる活性酸素が作られています。これを阻止することができるのは、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンなどです。

下の表は、これらの栄養素が多く含まれる食品です。特に旬の食品には栄養素がたくさん含まれているので、疲労時には特に、身近に手に入るものを積極的に摂りたいものです。

栄養素 食品名
ビタミンC かき、キウイフルーツ、いちご、オレンジ、レモン、ブロッコリー、菜の花、ピーマン、じゃがいも、抹茶
ビタミンE 小麦胚芽、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、かぼちゃ、うなぎ、ひまわり油
β-カロテン かぼちゃ、にんじん、春菊、緑黄色野菜

さて、「疲労」の観点から、運動と栄養が疲労の軽減に役立つことがわかりました。しかし、「運動」「食事」の効果は、「休養」のように、翌日すぐ表れないので、実感しにくいかもしれません。普段から特に運動していない人、また食事にことさら気をつけていなくても、よほど不規則な生活や偏食をしない限りは、大きな症状として表れてきません。なぜなら、不規則な生活、食事、環境からのストレスに対して、私たちの体はある程度の適応能力があるからです。特に、若い年代ほど、その能力が高いといわれています。

それでも不摂生が続くと、体のだるさや肌荒れなどの小さな症状が表れてきます。また、体の不調が気持ちの落ち込みにつながったりします。このようなときは、軽い運動や楽しい食事をすることが気分転換につながります。健康の三本柱「運動」「栄養」「休養」に気を配って、この時期を乗り越えていきましょう。

引用・参考文献

  1. 松村成司:運動と栄養 運動ストレスが健康を支える!,食の科学,316:4-10,2004
  2. 伊藤正男、井村裕夫、高久史麿:医学大辞典,医学書院,2003
  3. 新食品成分表編集委員会:新食品成分表,一橋出版,2005
  4. 角田聡、水沼俊美、坂井堅太郎:運動・スポーツにおける抗酸化物質の役割,臨床スポーツ医学,13:90-97,1996
  5. 生活習慣病予防研究会 編:生活習慣病のしおり,社会保険出版社、2005

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