2006.3月 胃腸の調子はいかがですか?
お腹が痛い時の食事
最近、胃腸の調子はいかがでしょうか?
ストレスが体調と密接な関係にあることは2月号でお知らせしたとおりです。
ストレスが原因で、お腹が痛くなった場合は、ストレスを上手に発散させることが大切です(ストレス発散方法は2月号を参照)が、食生活の乱れが原因になっていないかを確認することも必要です。
■ 食生活をチェックしてみましょう
ストレスが原因でついつい過食をしてしまうなど、食生活に乱れが生じることもあると思います。食生活の乱れは胃腸の調子を悪くしがちです。
では、自分の食生活は大丈夫でしょうか?
チェック項目で振り返ってみましょう。
- 食事を欠食することがある
- 食事時間が不規則なことがある
- 外食、既製品の利用が多い
- お腹がすいていないのに食べている(飲んでいる)
- いつもよりも食べる(飲む)量が多い
- 食事に時間をかけていない(早食い、あまり噛まないなど)
- 食事が楽しくない
該当する項目はありましたか?
もし、1つでも該当する場合は、胃腸を守るために食生活の改善が必要です。
■ 胃腸の調子を整えるためには
胃腸の調子を整えるためには、暴飲暴食を避け、欠食をせず、食事時間を規則正しくし、外食を控え、栄養バランスの良い食事をよく噛んで、楽しく食べることです。
胃痛、吐き気、下痢や便秘など、症状がつらい時も、湯冷ましや番茶、麦茶などで水分は補給してください。その後、胃への負担の少ない食品を少量ずつ食べることからはじめ、徐々に通常の食事に戻していくとよいでしょう。
■ 胃腸にやさしい食事
胃腸のトラブルの際に、注意したい食事のポイントは次のとおりです。
- 胃腸を刺激する食品を避ける(食物繊維の多い野菜・果物、硬い野菜・果物、甘味・塩分の強いもの、極端に熱いもの・冷たい食品、香辛料、カフェイン飲料、炭酸飲料など)
- 胃酸分泌を亢進する食品をさける(肉類、肉のスープ、脂肪の多い魚、固ゆで卵、甘味・塩分の強い食品)
- 胃内停滞時間が長く負担になるため、脂質の使用量は少量とし、使用する場合は消化の比較的良いバターなどを中心とする。揚げ物、脂身の多い肉は避ける。タコ、イカ、貝類、海藻類も胃内停滞時間が長い。
- 少量で栄養価が高い食品を食べる。良質のたんぱく質を含む食品(大豆製品、脂質の少ない魚、乳製品・軟らかい肉、半熟卵など)や、ビタミン、ミネラルを含む緑黄色野菜などがお勧め。
- 消化の良い調理方法を用いる(十分軟らかくなるまでゆでる、煮る、蒸す、レンジ加熱する。繊維の多いものは細かく切る、つぶす、ミキサーにかける。生食は避ける。魚介類、肉類、卵などは加熱しすぎると硬くなって消化が悪くなるので注意)
- ゆっくり、よくかんで食べる
- 1回に食べる量を減らし、食事回数を増やす(1日4~5回食)。
以上のポイントを踏まえ、消化の良い食品と調理方法の例を表に示しました。食材選びの参考にしてください。
| 食品群 | 食品例 | 調理例(留意点) |
| 穀物 | 軟らかいご飯、うどん、そうめん、マカロニ、もち、パン、コーンフレーク | おかゆ、おじや、消化のよい食材の混ぜご飯、月見うどん、鍋焼きうどん、雑煮、トースト |
| いも類 | じゃがいも、サトイモ、山芋、皮を除いたさつまいも、でんぷん | 煮物、焼き物、茶巾絞り、ポタージュ、とろろ汁、くず湯 |
| 豆類 | 豆腐、焼き豆腐、高野豆腐、納豆、きなこ、湯葉、みそ、豆乳 | 湯豆腐、煮奴、いり豆腐、白和え |
| 魚介類 | 白身魚、脂肪の少ない魚、はんぺん | 煮魚、蒸し魚、焼き魚、すり身団子、 (火の通しすぎは硬くなるので注意) |
| 肉類 | 鶏肉(皮と脂を除いた部分、ささ身)、豚・牛肉(ヒレ、赤身部分) | 煮物、蒸し物、バター焼、肉団子 |
| 卵類 | 鶏卵、うずら卵 | 半熟卵、茶碗蒸、卵豆腐、ポーチドエッグ、温泉卵、卵とじ、オムレツ、スクランブルエッグ |
| 乳製品 | 牛乳、ヨーグルト、スキムミルク | 温めた牛乳、ミルク煮、ミルクゼリー、ヨーグルトかけ |
| 野菜 | 繊維の硬くない野菜(かぶ、かぼちゃ、カリフラワー、キャベツ、大根、玉葱、トマト、人参、白菜、ブロッコリー、ほうれん草 など) | お浸し、煮物、おろし和え、マッシュ、ポタージュ、スープ、 (カリフラワー、ブロッコリーの軸などは皮をむいて使用、白菜、ほうれん草などは葉先を使用) |
| 果物 | 完熟した果物、果汁、缶詰 | コンポート |
| 嗜好飲料 | 番茶、ほうじ茶、玄米茶、麦茶、ウーロン茶 | 薄いお茶 |
胃腸にかかる負担が少ない調味料の例と使用上の留意点は、表のとおりです。料理づくりの際の参考にしてください。
| 食品群 | 調味料の例 | 使用上の留意点 |
| 砂糖類 | 砂糖、はちみつ、水あめ | 過剰摂取は避ける |
| 油脂類 | バター、サラダ油、生クリーム | 使用量は少量に |
| その他 | 塩、醤油、みりん、めんつゆ、トマトケチャップ | 使用量は適量に |
参考文献
- 中村丁次、栄養食事療法必携、医歯薬出版、2005
- 落合敏、栄養教育論、医歯薬出版、2005
- 富野康日己、症状・疾患別食事指導の看護へのいかしかた、医歯薬出版、2005
- 有地滋、伊澤一男、奥田拓道、クスリになる食べ物百科、主婦と生活社、2001
- 永川祐三、栄養成分Book、主婦と生活社、2001

