2005.9月 正しいダイエットは「バランスのよい食事」から
「痩せていることは美しい」と考えていませんか? 現在、男女を問わずダイエットが盛んです。特に、若い女性の痩せ過ぎによる心身の疾病の増加が社会問題となっています。 そこで、今回はダイエットについて考えてみたいと思います。
■ 「ダイエット」って、何?
ダイエットは英語では「Diet」で、「食品」や「食物」のほか、「(やせるためや健康になるための)食事療法」という意味があります。
つまり、食事の質や量を調整することにより、疾病の予防や治療をして健康な身体になる方法ということです。
ですから、「ダイエットしてから体調が悪くなった」、「ダイエットしたら肌がブツブツになった」などの場合は、正しいダイエットを行っていないといえます。
■ ちょっと待って!ダイエットをする前に、あなたは本当に痩せる必要はありますか?
痩せる必要があるのは、適正体重を超え、疾病の危険がある場合のみです。
では、適正体重って何kgなのでしょうか?適正体重は一般に次の式で求められます。まずは、あなたにダイエットをする必要性があるのかチェックしてみてください。
適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
(例)身長150cmの場合は、1.5×1.5×22=49.5kgとなります。
この式に用いた「22」という数字は、身長と体重の関係を見た時に、疾病指数が最も低い(生活習慣病に最も罹患しにくい)体格であることを示しています。(図1)


国民健康・栄養調査(平成15年結果、厚生労働省)から日本人のBMIをみると、男性では15~19歳が、女性では20歳代についで15~19歳が、BMI18.5未満の低体重(やせ)者が多い結果となっています。そして、15~19歳ではBMI25以上の肥満でダイエットが本当に必要な者の割合は、男性で12.2%、女性では6.9%しかいないのです。


■ 間違ったダイエットしていませんか?
次のようなダイエット法をご存知でしょうか?
| こんにゃく(マンナン)ダイエット | 食物繊維が豊富で低エネルギーのため、便秘が解消し、エネルギーが少ないために一時的に体重が落ちます。 |
| 果物(りんご、グレープフルーツなど)ダイエット | 甘い果物を食べるために、楽しく感じたり、「我慢している」という気持ちが少ないことが最大のメリットです。 |
| ご飯抜きや油抜きダイエット | ご飯も油も、確かに取りすぎは体重増加を招きます。全く食べないことで摂取エネルギーを下げることはできます。しかし、ご飯も油も身体にとっては無くてはならない大切な栄養素(糖質、脂質)の供給源です。 |
紙面の都合で割愛しますが、この他にもまだまだ様々な方法が試されています。しかし、先に紹介した3つの方法を含め、体重低下には関与しますが、身体は栄養不足で悲鳴をあげてしまうものが多いです。これでは痩せるのではなく、やつれてしまいます。
ダイエットにより、不足しがちなたんぱく質や主なビタミン、ミネラルの欠乏症・欠乏状態については表のとおりです。参考にしてください。
| 栄養素名 | 主な欠乏症・欠乏状態 |
| たんぱく質 | 筋肉、内臓等の細胞の再生不良(傷や疾病の治癒遅滞、疾病の進行促進など) |
| ビタミンB1 | 食欲減退、疲労感(疲れやすい)、運動による動悸・息切れ |
| ビタミンB2 | 口内炎、口角炎、口唇炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、眼性疲労 |
| ビタミンD | 骨や歯の形成障害、骨粗鬆症 |
| ビタミンE | 頭痛、肩こり、冷え性 |
| カルシウム | 骨や歯の形成障害、骨粗鬆症、知覚過敏 |
| 鉄 | 貧血 |
| マグネシウム | 疲労感(疲れやすい)、貧血、知覚過敏 |
| 亜鉛 | 成長障害(性機能の発育不全)、味覚喪失 |
| 食物繊維 | 便秘 |
では、健康的にダイエットをするためには、どのような方法が良いのでしょうか?
■ 健康的なダイエットの基本は、1日3回食べること
ダイエットの基本は「1日3回」、「バランス良く」食べることです。
朝食抜きのデメリットは天使のケア5月号でも紹介しましたが、そのほかに、欠食をすることは体脂肪を増やすことにもつながります。つまり、身体は欠食によりエネルギー不足を感じ、昼食や夕食でとったエネルギーを脂肪として蓄え、「非常食」を作るようになるのです。ですから、食事を1日3回しっかり食べ、その分、菓子や清涼飲料水を少量にすることが大切です。
3回の食事量はできれば、朝、昼、夕と、均等に食べることが理想的です。夕食にボリュームが偏ったり、遅い時間(寝る直前など)に食べることは、摂取エネルギーを消費しきれず、脂肪として蓄積され易いため避けた方がよいでしょう。
「バランスよく食べる」コツは、1つの食卓に必ず「主食」、「主菜」、「副菜」の3つのお皿を揃えることです。
主食とは穀物を主材料とする料理で、ご飯やパン、麺などです。主菜とは卵、魚、肉、大豆などを主材料とする料理で、副菜は野菜などを主材料とする料理のことです。
3つのお皿といっても必ずしも、皿を3枚揃えなくても、1つの皿の中に主食、主菜、副菜に当る食材がそれぞれ入っていれば良いのです。この3つが揃った献立は、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのバランスが大変良くなります。
1日3食、3つの皿を揃えて食べること、これが正しいダイエットの基本なのです。
■ こんな献立はいかがでしょうか?
「ビビンバ」と「わかめとコーンの簡単スープ」
1皿に主食、主菜、副菜の3つが揃った献立の1例を紹介します。簡単にできるスープも添えてみました。是非、お験しください。
■ ビビンバとわかめとコーンの簡単スープ
わかめとコーンの簡単スープ
- 乾燥わかめ……小さじ1
- コーン缶詰(粒タイプ)……大さじ1
- 水 200ml
- 固形コンソメ……1/2個(顆粒コンソメの場合 小さじ1/2)
- 塩、こしょう 適宜
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- わかめは水に浸してもどし、器の中に入れる。大きい場合は食べやすい大きさに切る。
- コーン、水、コンソメを鍋にいれて加熱し、塩、こしょうで味を整える。
- 1に2を注ぐ。
※お好みの野菜等を加えてアレンジしてください。
コーンは生(ゆで)が手に入る時はそちらをお使い下さい。
参考文献
- 家庭科資料編集委員会他:高校生のための生活学,大修館書店,2004
- 香川靖雄:科学が証明する朝食のすすめ,女子栄養大学出版部,2000
- 厚生労働省:平成15年国民健康・栄養調査結果の概要,http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/04/h0421-1b.html
- 五島雄一郎:食事指導のABC第2版,日本医師会,2002
- 辻村卓:ビタミン&ミネラルバイブル,女子栄養大学出版部,2000
- 足立己幸:知っていますかこどもたちの食卓,NHK出版,2000






